家に帰ったら窓のカギがある部分のガラスが割られていた

mado_kagi
あれは寒い冬の出来事だった。私たち家族が住む家は東京の郊外にある閑静な住宅街に佇むしがない一軒家だ。

あの日、私は両親と兄と外食に行って夜ご飯を食べ、平和な一日を終えようとしていた。――はずだった。鍵でドアを開けて入った瞬間から、私には「アレ?」という妙な違和感があった。私だけでなく、両親たちも同じだったようだ。「何だかずいぶん家の中が冷えるな」と父が言い、「どこか開けっ放しにしちゃったかしら」と母が言った。そしてリビングの電気をつけた途端、母が悲鳴を上げた。何事かと思って私も慌ててリビングに駆けつけると、この辺で大地震でも起きたっけ?と思うくらい、家の中がめちゃくちゃになっていたので、思わず声を失った。

引き出しという引き出しが全て出ていて、中に入っていたものも全て床に散らばっている。兄が窓を見て「あっ」と叫んだので見てみると、窓のカギがある部分のガラスが割られていた。そのとき初めて「空き巣」という言葉が浮かび、まさに血の気が引くという表現がぴったりなくらい、全身がすうっと冷たくなるのがわかった。「110番しろ!」という父のどなり声にはっと我に返り、震える指で必死になって警察に電話した。警察が来るまでの間、父と兄がゴルフクラブとフライパンを片手に、まだ残っているかもしれない犯人を捜したのだが、幸いというか何というか、家にはもう誰もいなかったのだった。

警察が来て現場検証をしている間も、私は体の震えを止められずにいた。よく見ると、床に散らばった紙に靴跡がついていて、警察の人が写真を撮ったりしていた。当たり前だけど、犯人は土足で我が家に入ったのだなと思うと、どうしてそんな無神経なことができるのか、信じられない気持ちと恐怖が混ざり、ポロポロ涙が溢れてきたのだった。あれ以来、窓を防犯用に替えた我が家だけど、未だに家に帰ると違和感がないかどうか確認してしまう癖は抜けないでいる。